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心理検査NEO-PI-R <調和性>

人格の5因子モデル(ビッグファイブ)に基づいて開発されたNEO-PI-Rという心理検査があります。これは、人格を細かい特徴まで捉え、尚且つ、包括的に理解するために、5つの次元を細かく細分化させています。
今回は、5因子(「N 神経症傾向」「E 外向性」「O 開放性」「A 調和性」「C 誠実性」)のうち、「A 調和性」についてまとめてみたいと思いますので、自己理解を深めるにあたり、参考にしてみてください。

調和性の包括的理解

調和性は、協調性ともいわれ、人との関係や社会的な調和を重視する特性を示します。調和性が高い人は、思いやりがあり、親切で、他者と協力しようとする傾向が強いです。一方で、信念を貫くために闘わなければならない場面や、裁判や紛争の場などでは、必ずしも長所とは言い難い面もあります。調和性が高すぎるあまり依存的になってしまったり、反対に低すぎて、自己中心的で好戦的になりすぎることは、社会的にも、健康的にも、好ましいとはいえず、いずれにせよ両極端に偏りすぎるのは生きづらさにつながります。NEO-PI-R人格検査では、「調和性」をさらに細かく構成する下位次元が6つありますので、見ていきましょう。

調和性の6つの下位次元

下位次元1 信頼
ここでいう信頼とは、他人を信頼しやすいかどうか、人を疑うよりもまず信用する傾向があるかどうかを示す。この値が高ければ、他人を信じやすく、人は誠実で好意的だと思う傾向が強い。反対に、低い値だと警戒心が強く、人と慎重に接する傾向が強い。

下位次元2 実直さ
実直さとは、正直で誠実かどうか、素直で裏表がないかどうかを示す。この値が高いと、ざっくばらんで正直で、人に対して誠実に接する。反対に、低い値だと策略的で、目的のために駆け引きをすることもあるが、低いからといって、不正直だと解釈するものではない。

下位次元3 利他性
人を助けたいという気持ちが強いかどうかを示す。この値が高ければ、困っている人を積極的に助けようとし、寛大で思いやりがあり、人の役に立ちたいと思う傾向を持つ。反対に、この値が低ければ、他人の問題に関わることを避けたがり、自分のメリットを優先的に考え、自己中心的な面が見られる。

下位次元4 応諾/協力性
対立を避け、協力しようとする傾向が強いかどうかを示す。この値が高ければ、競争よりも協力を好む傾向があり、衝突を避け、辛抱強く、攻撃性を抑制し、相手に譲歩する傾向が高い。反対に、この値が低ければ、協力よりも競争を好み、必要であれば対立を恐れず、怒りを表に出すことをためらわない傾向がある。

下位次元5 謙虚さ/慎み深さ
自己主張を控える傾向が強いかどうかを示す。この値が高ければ、謙虚で、自分をあまり主張しない。それは決して自尊心が欠如しているわけではないが、自己評価を低く見積り、相手を尊重する傾向を示す。この値が低ければ、自分に自信があり、自分の能力を誇示する傾向がある。時に横柄で自惚れやだと思われることもある。

下位次元6 共感力/優しさ
他人に関心を持ち、他人への感情に共感する傾向が高いかどうかを示す。この値が高ければ、他人の気持ちに敏感で、相手の心を気遣って、励ましたり、共感を示したり、感情面でのサポートを提供できる。反対に、この値が低ければ、心を動かされることはなく、冷静に割り切り、理性的で頑固さを示す。

これらの下位次元をまとめて総括的にみた場合、一般的に調和性の高い人・低い人はどのような特徴を示すのか「感情面」「行動面」「対人関係」「職務適性」にわけて、みてみますね。

調和性の高い人・低い人の特徴

調和性の高い人
<感情面>
他人への感情に関心を持ち、共感力が高く、思いやりがある。
<行動面>
協力的でチームワークが得意。他人の意見を尊重し、争いごとを避け、譲歩することが多い。
<対人関係>
優しく温厚で、対立を避け、細やかな気遣いができるので、トラブルが少なく、良好な関係を築きやすい。
<職務適性>
人と関わる機会が多く、相手に寄り添う姿勢が求められる職業や、協力しながら目標達成が求められるチームワーク重視の職業に適性が高い。(医療・福祉系、教育系、接客・サービス業、人事・総務系、企画・広報系、公務員など)

調和性の低い人
<感情面>
人の感情に関心が乏しく、自分自身も感情をあまり表に出さない。
<行動面>
個人主義で協力より、競争を好む。
<対人関係>
率直で、対立を恐れず批判的。主張も強く、妥協することが少ない。
<職務適性>
強い自己主張や駆け引き、厳しいノルマが求められる職業に適性が高い。(厳しいノルマがある営業、投資銀行、広告代理店、研究職、弁護士、政治家、経営コンサルタントなど)

いかがだったでしょう。この傾向の高い・低いは、決してマイナスではないことがよくわかります。どちらの傾向が強くても、自分の特性を理解し、プラスに活かすことがとても重要です。間違っても、自分にない性質に対して、批判的に偏った見方をしないことです。たとえば、協力的で自己主張が控えめな人に対して、バカにするような言動をとったり、反対に、自己主張が苦手な自分を、必要以上に卑下しないことです。適材適所に置かれれば、どちらであっても力を発揮することができるのですから、客観的に自分を捉えてみることが何よりも重要です。

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