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リセット症候群

これまで築いてきた人間関係や周囲とのつながりを、衝動的に断ち切ってしまうことを「リセット症候群」と呼びます。これは診断名ではありません。変化の激しい現代に急増している現象で、背景をみていくと、SNSの普及によりつながりを持ち過ぎてしまうことの息苦しさや極端な思考、それに伴う気質や幼い頃からの経験値などが複雑に絡み合っていることが見えてきます。今回は、このリセット症候群についてお伝えしてみたいと思います。

リセット症候群の行動特徴

リセット症候群に見られる行動の特徴は、突然に一切の関係を絶ってしまうという行動に現れます。それまで親しくしていた関係であっても容赦無く切り捨て、以下のような関係不通状態となり、姿をくらましてしまうのです。

連絡遮断
連絡手段を突然切断するような行動をとります。現代であれば、LINEやメールなどの連絡先を自ら突然削除したり、あるいはブロックして音信不通になることが多いです。

SNS退会やブロック
それまで頻繁に利用していたSNSアカウントを突然削除したり、非公開にして、外からはコンタクトできない状態にします。

環境刷新
事前の予告や猶予なく仕事を辞めたり、連絡なしに引っ越しをしたり、身を置く環境を全く新しいものに切り替えます。中には頻繁に転職をくり返すということも含まれます。

リセット行動の背景にあるもの

これは、人とのつながり方が大きく変化している現代によく見られる現象として注目されるようになりましたが、実は昔から見られる行動様式の一つです。人が自発的に行動する時、背後には必ず思考や感情が動いているといわれますが、人間関係をリセットする行動には、どのような背景があるのでしょう。陥りやすい思考や感情の動きを以下にまとめてみます。

人間関係の疲れ
普段から気を使いすぎる人に多くみられ、心身の不調(イライラ、不眠など)を抱えやすいのが特徴です。関係性において、人に過度に気を遣う、自分の意見をはっきり言えない、価値観の不一致、過度の期待と承認欲求が満たされないといった傾向があり、日頃からストレスが溜まりやすい特徴があります。

頑張りすぎる
完璧主義で仕事や役割などを抱え込み過ぎてしまい、心身の疲労が限界に達するまで頑張り過ぎてしまうのが特徴です。他者評価を気にしたり、休むことに対して罪悪感を感じやすかったり、周囲の期待に応えようと自分のことは後回しにする傾向があります。

気の使い過ぎ
感受性が高く、周囲の空気を読み過ぎて期待に応えることを優先したり、失敗を恐れて慎重になり過ぎたり、気を張ることが人一倍多い傾向があります。

完璧主義
何事も完璧にこなそうと高い目標を掲げて、クオリティの高さを追求したり、失敗を恐れて自分や他人にも厳しくなる傾向があります。細部にこだわり不完全さを許しません。承認欲求も高く、他人の目を気にする傾向があります。

極端で矮小な思考
白黒思考(0か100か)やべき思考など思考の歪みを持ちます。物事を複雑なまま捉えることができず、狭い視野で短絡的に判断してしまいます。感情の浮き沈みが激しく、人を批判することも多くなります。

弱音を吐けない
弱みを見せることへの抵抗感が強くストレスを抱え込みがちです。弱音を吐くことは「情けないことだ」「相手にも迷惑なことだ」と考え吐き出すことができません。その結果、心身の不調(燃え尽き症候群・適応障害など)に陥ることがあります。

常に見られていると感じる心の負担
人に見られていると感じる時、あるいは実際に注目されている時に感じる負担は「視線の恐怖」「他者評価への過度な不安」として心理的・身体的に大きなストレスをもたらします。特にSNSのように24時間繋がっている状況では、常に見られているという感覚を抱きやすく、同時に、よく見られたいと思うと同時に失敗したらどうしようとストレスを感じやすくなるのです。

ストレス解消の下手さ
ストレス解消が下手な人は、我慢が美徳と考える傾向があったり、過去の出来事をいつまでもクヨクヨ考えては後悔したり、一人で反省会を続けることが多いです。また常に何かをしていないと落ち着かず、休むことに罪悪感を持つ傾向があります。

本音をいえない
背景には「嫌われたくない」「傷つけたくない」という恐れや、過去に実際そのような体験があったり、そもそも自己肯定感が低く感じやすい気質を持っていたり、自分でも本音がわからないということもあります。その結果、感情を抑え込んでしまうのです。

悲観的な予測
失敗や悪い結果を過大評価する傾向を持つことで将来に希望を抱けず、ぐるぐるとネガティブ思考が繰り返されるパターンを持ちやすくなります。

思い込みの強さ
自分の考えを絶対視し、固執する傾向があります。客観的な事実や他人の意見を受け入れることが苦手で、融通が利かず、完璧主義なところがあります。根底には自信のなさ、不安を抱えることが多いです。

リセットしたい衝動に襲われたら

リセットしたい衝動に駆られた際は、まず落ち着いて、以下のような行動をとってみましょう。
 

深呼吸をする
強い感情は「逃走闘争反応」によるもので、ずっと続くことはありません。数秒から数十秒でピークを過ぎ、徐々に落ち着き始めます。その間はとにかく何もせず、考えないようにするのです。それには深呼吸が効果的です。私の場合「3秒吸うー3秒止めるー13秒吐く」を3回繰り返していただく様にしています。

足の裏に意識を集中する(ボディチェック)
不安や焦りなどの感情に襲われている時は、冷静さを失っていますので、まずは思考を止めるために、意識を足の裏や、座っている状態であれば、座面の圧迫しているお尻の感覚(触覚)に意識を集中させます。横になっている場合は仰向けになり、頭から背部、足先まで同様に、接触している触覚に意識を集中させます。

感情を言語化
今感じている感情や考え、イメージを書き出します。できればジャーナリング(日記)を初めて見てください。最初は書式に関係なく、書き殴ってもいいです。色を塗りつぶすでもいいですし、絵で表現してもいいです。目的は外在化させることで客観視し、感情を眺めるように距離を取ることにあります。

デトックス
不安に襲われている時は、反動で余計に執着するものです。スマホを見続けるようであれば、一旦距離を置く必要がありますので、スマホなどは手元から離す時間を作りましょう。

専門家を頼る
それでも衝動が抑えられない時は、カウンセリングなどを通じて、専門家の支援を受けるようにしてくださいね。

 

いかがだったでしょう。
リセット癖のある方は、ご自分を理解する機会に生かしてみてください。ご自分でも気づいていない「真意」があるはずです。それを明らかにして、取り扱える自信を身につけていただければと思います。

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