ストレスが心やからだに及ぼす影響
ストレスは、心やからだに様々な影響を及ぼします。心であれば、やる気が出なくなったり、急に不安や悲しみが襲ってきたり、イライラすることが増えるなど、感情面にその症状が目立つようになってきます。からだであれば、消化器症状(下痢・腹痛・便秘・食欲減退や過食など)、痛み(偏頭痛・腰痛・関節痛など)、皮膚(肌荒れ・円形脱毛・蕁麻疹など)とにかく多岐に渡ります。しかも、症状に対する対処療法だけでは根本的な治療にはならないので、間隔を置いて一進一退をくり返したり、下痢が落ち着いたかと思ったら偏頭痛が出てくるなど、カタチを変えて侵襲してくることが増えます。
交感神経が暴走し続けると
これは自律神経の働きを理解するとよくわかります。自律神経は、状況に応じて交感神経・副交感神経の2つの神経の働きを切り替えることでバランスをとります。ストレスが高まれば、交感神経が活発になり、からだに戦闘体制をとるよう強いてきます。それが長時間に渡って過剰になれば、常に緊張を強いられるわけですから、些細な刺激にも過敏に反応するようになります。何しろ戦闘体制ですから、リラックスすることを許さないわけです。
自律神経を切り替えるイメージで
現代は、誰もがストレスを抱える日々です。まだまだ対処できる余力があると、たかをくくっていると、後に大きな代償を払うことになりかねません。現代人は皆、ストレス対策を習慣にした方がいいと常々思います。それには、自律神経の切り替えを意識することです。強い緊張を強いられたら、それを取り返すつもりで、心身をリラックスさせる行動を取り入れるのです。
小さなサインに気づいて意図的に違うことをする
それには、自分の心とからだの変化に気づけるようになることです。特に「病は気から」というように、心の動き、つまり自分の感情をつかむことはとても重要です。感情は大小様々にグラデーションがあります。例えば「悲しみ」も「悲嘆」から「切なさ」まで幅がありますが、小さいほど気づきにくいものです。「物悲しさ」や「切なさ」という細やかな感情体験であっても、長いこと抱えていて何の手当てもせず放置していれば、必ずからだに影響を及ぼします。「なんだか最近調子があまり良くない」と感じた時は、大急ぎで自律神経を切り替える行動をとるといいです。ポイントは、意図的に違うことをすることです。パソコンに向かい続けているなら、外を散歩する、ぶらっと買い物に出かけてみる、などです。「静」と「動」のように、それまでとは違う正反対の行動をとることで、ようやくバランスを取り戻すことができるからです。